本研究センターの目指すところ
研究プロジェクトの紹介



本研究センターの目指すところ

本研究センターの目標と組織


 我が国が世界をリードする「物創り」の未来の学術基盤は,様々な新しい化合物の物質合成と,計算科学に基づく物質設計,物質を電子線・放射光X線・中性子線などの量子ビームにより原子・電子レベルで計測・分析・解析する技術開発にあります.名古屋大学大学院工学研究科では,これまで物質の研究,中でも「結晶の工学研究」では国内外において重要な役割を果たしてきました.
 工学研究科では,物理学と化学をバックグランドとする研究者が両輪となって,結晶材料の化学合成と物理特性についての包括的な研究・教育が進められてきました.これら両分野を融合した物質・材料科学の理念が名古屋大学の結晶工学の強みでありましたが,同分野の未来の学術基盤として,物理学と化学に加えて,インフォマティクスなどの数理情報学はますます重要となっています.そのため,結晶材料の工学の革新的発展には,合成と物性を専門とする研究者に加えて,数理情報学に基づく物質設計と量子ビームを用いた原子・電子レベルでの計測は必須であり,これら全ての分野の研究者が一体となって密接な連携研究を強力に推進する必要があります.
 結晶工学に関する学問的,社会的な要請は全く衰えておらず,むしろ高まりを見せています.そのため,名古屋大学工学研究科の世界的強みである結晶工学をさらに発展させ,国内外の産業の基盤となる新学術を構築するために,本センターが研究科内のハブとなるとともに他部局との連携の窓口となる横断的枠組みとして,共同研究センターを工学研究科の組織として設置するものであります.

2023年4月1日 センター長 長谷川 正



多様な組織連携


 本センターは,「結晶の工学研究」で強みをもつ名古屋大学工学研究科が,結晶の「物質設計」「合成」「量子ビーム計測」に関連する研究科内外の関連組織や研究者および関連の企業やエンジニアと連携しながら,研究と若手人材育成および国際連携の観点から相乗的に進めることを目的に,当該分野の研究科における拠点の形成を目指します.
 工学研究科において本センターは,シンクロトロン光研究センター,未来材料・システム研究所附属高度計測技術実践センター及び附属未来エレクトロニクス集積研究センター等と密接に連携する工学研究科内の中心的組織となります.また,専任教員と兼任教員に加えて,様々な関連分野の連携教員をセンターの内外に配置します.これにより,本センターを中心に,当該分野の気鋭の研究者を集結させるとともに,結晶工学に関わる幅広い多様な連携を展開します.国外の大学・研究機関との国際連携事業とも連動させることにより,国際的研究体制の強化と認知度の向上を達成します.さらには,基礎研究から得られるシーズを社会のニーズを満たすイノベーションにつなげることを目指して,産官学民連携推進事業とも連動させます.





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研究プロジェクトの紹介

本研究センターのメンバーが中心となって発足した研究プロジェクトを紹介します.


新規機能性電子スピンエネルギー結晶材料の開発


 新概念の変換機能を持つエネルギー結晶材料の実現を目指して、スピン流を介したエネルギー変換に関する学理を追求すると同時に、変換効率が高く経済性・耐久性にも優れたエネルギー結晶材料の創成にも取組み、将来の創エネ・省エネ社会の構築への貢献を目指しています。特に、熱とスピンの相互作用に関する物理を探究する、スピンカロリトロニクスの実験的・理論的研究や、熱流からスピン流を生成して、電力を得るための材料とデバイス開発などに精力的に取り組んでいます。また、次世代磁気記録材料・永久磁石材料やスピントロニクスデバイスに資する新しい機能性磁性材料の創製に関する研究開発を進めています。【合成部門 教授 水口将輝】




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